
こんにちは、minoariです。 急性期看護師歴30年のオツボネナースが、
**もう一度、基本に立ち返って**血ガスのポイントを整理してみました。
CO₂が増えると、どうして酸性に傾くの?
呼吸がうまくできないと、体内にCO₂がたまり、それが水素イオン(H⁺)を生み出してpHが下がっていきます。
たとえば、COPDやオピオイド中毒、神経筋疾患などの患者さんでは、呼吸性アシドーシスが起こりやすくなります。
この章では、**「CO₂がpHに与える影響」をやさしく図解しながら解説していきます。
👉 そもそも「酸性に傾く」とはどういうこと?**という方は、📖 第1章:アシデミアとアシドーシスとは?もあわせてご覧ください。
⚠️ 本記事は、看護師としての学び直しを目的とした個人的な覚え書きです。 医療的判断や処置を行う際は、必ず医師や専門家の指示を仰いでください。

pHが下がるっていうけど…CO₂とどうつながってるのか、モヤモヤしてますよね?
大丈夫!この記事では、「CO₂が増えるとなぜ酸性になるのか?」 そのしくみを、図とともにやさしく紐解いていきます。読み終えるころには、自分の言葉で説明できるようになっているはずです。
📖 第2章:CO₂とpHの関係 ― 呼吸性アシドーシスとは?
🔸 CO₂がH⁺を生むしくみ(呼吸性アシドーシス)
血液ガスを読むとき、あなたなら真っ先にどこを見ますか?
…そう、「pH」も気になりますが、多くの人がまずチェックするのは PaCO₂。
なぜか? CO₂が増えるだけで血液は酸性に傾くからです。
流れを整理してみましょう。
- 呼吸がうまくできないと、CO₂が体内にたまる
- CO₂は水(H₂O)と反応して 炭酸(H₂CO₃) に
- 炭酸はすぐに分かれて → H⁺(水素イオン)+ HCO₃⁻(重炭酸) をつくる
- このH⁺が血中に増えて、pHが下がる
- → これが「呼吸性アシドーシス」
式にすると:
CO₂ + H₂O ⇄ H₂CO₃ ⇄ H⁺ + HCO₃⁻
📌 ポイントは、この反応がとても速いこと。
だからCO₂が増えるだけで、すぐにpHが下がってしまうんです。
🔸 呼吸性アシドーシスが起こる場面
では、実際にどういうときにCO₂がたまりやすいのでしょう?
状況 | 具体例 | 一言イメージ |
---|---|---|
換気不全 | COPD、急性呼吸不全 | 「息が吐けなくてCO₂が残る」 |
中枢性の呼吸抑制 | オピオイド中毒など | 「脳から“息しろ”の指令が弱まる」 |
神経筋疾患 | ALS、ギラン・バレー症候群など | 「呼吸の筋肉が動けない」 |

どうですか?だんだんイメージついてきたでしょ✨
🔸 血ガスでどう見る?
ここが一番実践的なポイント。
血液ガスを手にしたら、まずこんな順で見てみましょう。
- pH:7.35未満? → アシデミアあり
- PaCO₂:45 mmHg超え? → 高CO₂血症
- HCO₃⁻:正常?上昇? → 腎の代償を確認 (正常値:22〜26 mEq/L)
パターンで言うと:
- 急性呼吸性アシドーシス → pH↓、PaCO₂↑、HCO₃⁻はまだ変化なし
- 慢性呼吸性アシドーシス → pHはやや低い程度、PaCO₂↑、HCO₃⁻が代償的に↑
📌ポイントは、「まずPaCO₂を見てみよう!」――これが血ガス判読の第一歩です。

はい、ここまできたら…もうイメージできていますよ~
現場での思考の流れまとめていきます!
✅ まとめ
🩺 現場での考え方、こう整理しよう!
✅ 患者がうまく呼吸できていない…
→ 呼吸性アシドーシスかもしれない
✅ 血ガスを確認!
→ まず PaCO₂ を見る 👉 CO₂ がたまっている!呼吸性だな
✅ pH は下がってる!
→ CO₂ が増えることで H⁺ が生まれ、血液が酸性に傾いた呼吸性アシドーシス!
✅ HCO₃⁻ の動きもチェック!
→ 代償反応あるかな? 急性? 慢性?
💡HCO₃⁻のくわしい働きや、代償については、後の章で詳しく解説していきます!

📌 現場で血ガスデータに迷ったとき、今日のこのステップを思い出してもらえたらうれしいです🩺
🧭 次章では…
CO₂以外の要因、すなわち「代謝性アシドーシス」について解説していきます。
「代謝によって生じる酸」って、どんなもの?どうやって見抜くの?
そのあたりを深掘りします🔍
👉【📖 第3章:HCO₃⁻とpHの関係 ― 代謝性アシドーシスとは?】
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