
こんにちは、minoariです。 急性期看護師歴30年のオツボネナースが、**もう一度、基本に立ち返って**血ガスのポイントを整理してみました。
第1章〜3章までで、身体が“酸が多い世界”を見てきましたね。
では、今度はその反対。”アルカリに傾く世界”をのぞいてみましょう。
pHが高いとき、体の中ではどんなことが起きているのか?
そしてその原因には、どんな種類があるのか?
一緒に整理していきましょう🩺—
⚠️ 本記事は、看護師としての学び直しを目的とした個人的な覚え書きです。 医療的判断や処置を行う際は、必ず医師や専門家の指示を仰いでください。

この章では
シンプルにアルカローシスを
理解できちゃいます✨
📖 第4章 : アルカレミアとは?呼吸性/代謝性アルカローシスを整理しよう
🔸アルカレミアとは?
アルカレミア(Alkalemia)とは、血液のpHが7.45より高くなっている状態を指します。
言いかえると、「酸が少なすぎる」または「塩基が多すぎる」状態。
血液がアルカリ性に傾いている――つまり、アルカリに傾く世界です。—
🧪 pHが高くなるときの体の中pHが上がるというのは、水素イオン(H⁺)が減っている状態です。
H⁺ が減る
HCO₃⁻(重炭酸イオン)が相対的に余る
体はバランスを取ろうとして「CO₂をためこむ」方向に動く
つまり、呼吸をゆっくりにして酸を戻そうとするのが体の自然な反応なんです。

酸が多いときは「吐き出す」。アルカリが多いときは「ためこむ」。体はいつも、真ん中(pH7.4)をめざして静かに調整しています🪞—💨
🔸呼吸性アルカローシス
**呼吸性アルカローシス(Respiratory Alkalosis)**は、呼吸によってCO₂を吐きすぎてしまうことで起こる状態です。CO₂が減ると、H⁺も減り、pHが上がります。
🫁 主な原因
- 過換気(不安・緊張・パニックなど)
- 発熱や低酸素での呼吸促進
- 人工呼吸器の換気過多
🧩血液ガス 結果
PaCO₂ ↓ → pH ↑ → アルカレミア

焦って呼吸が浅く速くなると、CO₂を吐き出しすぎて血がアルカリに傾きます。でも体はすぐに、腎臓でHCO₃⁻を減らしてバランスをとろうとします🌿
🔸代謝性アルカローシス
代謝性アルカローシス(Metabolic Alkalosis)は、体から酸が失われたり、塩基(HCO₃⁻)が増えすぎたりして起こる状態。
💊 主な原因
- 嘔吐(胃酸の喪失)
- 利尿薬の長期使用
- 低カリウム血症(K⁺欠乏でH⁺が細胞内へ移動)
🧩血液ガス 結果
HCO₃⁻ ↑ → pH ↑ → アルカレミア

胃酸を失うと、体の中は“アルカリに傾いた”状態に。
このとき体は呼吸をゆるめて、CO₂をためこみ、バランスを取り戻そうとします🌬️
🔸チェックポイントまとめ


アルカリに傾く原因はシンプル。身体は、”酸の多い世界”も”アルカリに傾く世界”も、そのわずかなズレを感じとって、ちゃんと反対方向に動いてくれます。
次章では、
その努力=代償反応を見ていきましょう🌿
👉 【📖 第5章|代償反応とは?バランスを取り戻す体のしくみ】へ


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