🎬 映画『Civil War』|📸 非常理な世界|撮る、ジャーナリズム

映画レビュー
救えない命があるから 撮る 助けられない惨劇だから 撮る 正義なんて あるのか 非常理な世界 救える命 助けられる惨劇 そのために 「なかったことにしない」 という 選択

—— 感情のスパークル

  

┬┴┬┴ Interpretation ┬┴┬┴

Ⅰ.正義が消えた世界 内戦の理由は語られない 誰が正しくて誰が悪いのかも示されない 同じアメリカ人であるはずの人が 出身地や見た目 肌の色だけで その場で アメリカ人ではない存在 にされ 撃たれる 撃った側が本当にアメリカ人なのかどうかすら分からない それでも引き金は引かれる 正義も基準も失われた世界では 判断するのは国家でも思想でもなく 銃を持った個人の主観だけ この映画には そうした怖さがあった
Ⅱ.引き延ばされた「距離」 物語は 内戦下のアメリカで ニューヨークからワシントンD.C.へ向かう ジャーナリストたちの行動を追っていく 作中で何度も表示される ワシントンD.C.までの距離 は 内戦の混乱によって 道のりが本来の3〜4倍に引き延ばされている 過酷さを示す演出だ 残りの距離が示されるたび 危機感は高まり 希望のない絶望が 少しずつ強まっていく 同時にその距離は 新米カメラマンのジェシーが ベテラン記者リーの継承者へと 変わっていく過程を示す 成長のマイルストーン としても機能している 距離が縮まるたびに緊張は高まり 彼女がアマチュアから プロの眼差しへと変貌していく過程が 冷徹に浮かび上がる
DCに向かう4人のジャーナリスト
(映画『Civil War』公式スチール)
Ⅲ.ジャーナリストたちの信念 彼らの姿勢に 私は強く心を留めた それは 戦地の前線で 目の前で起きていることを 見ること 記録すること に命をかけていること その場で守ることや 助けることではなく 起きている出来事を なかったことにしない という選択を し続けること シャッターを押し続ける という行為 それが後の誰かを 守り 助けることにつながると 彼らは信じているというより そう自分を律しているように見えた 信念というより 呪縛に近い
Ⅳ.自分は いま どこに立っているのか もし 正義がなくなった世界に立たされたとき 私は なかったことにしない という選択ができるだろうか 同じ日本で被災している人がいること 同じ地球で戦争が起きていることを知りながら 生活を続け どこかで他人事にしている自分 見ないようにしているつもりはなくても 深く関わらずに 通り過ぎている現実がある その自覚を この映画は 静かに突きつけてくる この映画は 行動を促すわけでも 答えを与えるわけでもない ただ 判断を急がせず 重い問いだけを 置いていく 正義のない殺し合いは やはり怖い その中で生き延びることに 意味があるのかどうかも 分からない それでも 忘れないこと 軽く扱わないこと 自分の言葉で 考え直すこと その姿勢だけは 手放さずにいたいと思った この映画は 私を正しい場所へ 導いたわけではない ただ 自分はどこに立っているのかを 静かに 確認させる一本だった

 

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🎞 ノー・アザー・ランド 故郷は他にない

2024年ベルリン国際映画祭
🏆 最優秀ドキュメンタリー賞
🏆 観客賞

パレスチナ人とイスラエル人。
国家としては敵対関係にある立場の
個人同士による共同制作。

その事実だけでも、
この作品が背負っている重さが伝わってくる。

まだ観ていないけれど、
「なかったことにしない」という言葉が、
理念ではなく現実として立ち上がる映画なのだと感じている。

🎞 YouTube|映画『シビル・ウォー』考察解説

Civil War の描写や伏線、
内戦の背景を多角的に読み解く解説動画。

映画の描写を「正解」にするためではなく、
背景を知ることで、
受け取り方が少し深まる気がします。

視点の一つとしておすすめです。

  

🎥 Related Picks 多くの人がジェシーを 「人間性を失っていく存在」と捉える中で 私は 彼女がリーから受け取った言葉を 行動として引き受けていったように感じた それは 目の前の命を助けていないという痛みを 理解しながら 銃でショットするのと同じように カメラでショットすることの重みを 背負う覚悟をするということ 撃たれたリーに 一度振り返り それでも前に進むという選択 そこにあったのは 冷酷さではなく 背負うことを引き受けた強さだったと思う ジェシーは リーを見捨てたのではない リーから 「行きなさい」と託された場所に 立ったのではないか そして最後にリーが選んだ 目の前の命を救う行動こそが 「助けなかった葛藤」とともに これからのジェシーの教訓になる 私は そう感じている

  

追記:
アレックス・ガーランド(Alex Garland)監督の
『ウォーフェア 戦地最前線』(原題 Warfare)は、
現代戦の最前線を描いた作品として、
2026年1月16日(金)より全国の劇場で公開中です。

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