3歳の
孫視点
私も猫
猫視点
感じる
風の重
水の揺
地の香
光の距
地球は
豊かで
怖くて
美しい
素肌が
震える
FLOW
┬┴┬┴ Interpretation ┬┴┬┴
『Flow』は、言葉をなくすことで、
“生き物が世界をどう感じているか”を
そのまま観客に委ねる映画。
黒猫、カピバラ、テナガザルに犬、そして鳥たちが、ボートでただ漂っていく──それだけの映画。
物語を説明しない。
意味づけをしない。
人間の視点に寄らない。
——その徹底した姿勢こそ、この作品の核にある。
カメラは常に低く、
地面の近さや風の抜け方、
水の重み、光の届き方を
“動物の高さ”で捉えている。
音もまた、セリフより呼吸や砂の擦れる音が前に出され、
世界そのものが響いてくるように設計されている。
3歳の孫は、驚いたり騒いだりせず、
ただ目の前の生き物たちの“生きる様”を眺めていた。
その静かなまなざしは、
映画の猫と同じ高さで世界を見ているようだった。
そして私もまた、
人間として画面を見ている感覚を手放し、
黒猫の隣を歩く もう一匹の猫 になっていた。
風は重く、
水は生き物のように揺れ、
地面には香りが立ち、
光には距離と温度が宿る。
説明ではなく、
“五感だけが世界とつながっている状態”。
その体験は、私の中に積み重なっていた
思考や理屈の層を、静かに 脱がされていった。
地球は豊かで、怖くて、美しい。
Flowは、その矛盾のすべてを
素肌で受け取るような映画だった。
『Flow』は、カンヌ国際映画祭
「ある視点(Un Certain Regard)」部門で
ワールドプレミアとして選ばれた作品だ。
この部門は、
独創的な視点や新しい語り方を持つ映画だけが立てる舞台。
猫の背丈で世界を見るというFLOWの構造は、
“視点そのものが物語になる映画” という、
この部門の哲学と見事に響き合っている。
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🎞 『Playground/校庭』予告編
カンヌ「ある視点」部門に正式選出された作品。子どもの背丈で世界を捉える“視点の映画”。
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