
こんにちは、minoariです。 急性期看護師歴30年のオツボネナースが、**もう一度、基本に立ち返って**血ガスのポイントを整理してみました。
血液ガスシリーズも、いよいよ終盤…「混合性」に入ります。
ここまで積み上げてきた“読む土台”が、いちばん活きる章です。
pHが正常なのに、
「なんだか引っかかる血ガスだな…」
そんな経験はありませんか?
実はその “違和感”、
酸とアルカリが同時に動いている
――「混合性」のサインかもしれません。
臨床では、単純な“酸”や“アルカリ”だけでは説明できない症例がたくさんあります。
でも、その正体に気づくには、たった3つの矢印を見るだけで十分です。
それでは『混合性』紐解いていきます。
🗂️ これまでの章(復習・過去記事リンク)
※読み返したい方だけどうぞ。今すぐ読む必要はありません。
⚠️ 本記事は、看護師としての学び直しを目的とした個人的な覚え書きです。 医療的判断や処置を行う際は、必ず医師や専門家の指示を仰いでください。

最後まで読むと混合性を“矢印で見抜き、Dr.に15秒で報告できる力”が身につます!
(……15秒は、さすがに盛りすぎも…。)
📖 第6章|混合性アシドーシス/アルカローシスとは?
🔸 混合性とは?
混合性とは、
1つの原因では説明できず、
複数の酸塩基異常が同時に起こっている状態のことです。
血液ガスでは、
- 呼吸性アシドーシス(PaCO₂↑)
- 代謝性アシドーシス(HCO₃⁻↓)
- 呼吸性アルカローシス(PaCO₂↓)
- 代謝性アルカローシス(HCO₃⁻↑)
といった異常が、単独ではなく
「同時に」動いていることがあります。
そのため混合性では、
数値を1つずつ見るだけでは判断できません。
大切なのは、
pH・PaCO₂・HCO₃⁻ が
どの方向に引っ張られているかを見ること。
ここからは、混合性を見抜くための
「基本の考え方」を整理していきます。
🔸 見抜き方の基本
混合性を見抜くときは、
pH・PaCO₂・HCO₃⁻ の「3つの矢印(方向性)」をそろえて見ることがポイントです。
どれか1つでも 「pH方向」とそろわない矢印 があるとき、
それは混合性のサインになります。
では、その矢印をどう読むのか——。
ここから順番に整理していきます。
[矢印その1]pH の矢印
🩸 酸性方向の矢印
pH:7.40 より低い(↓)
💨 アルカリ性方向の矢印
pH:7.40 より高い(↑)
[矢印その2]PaCO₂ の矢印
🩸 酸性方向の矢印
PaCO₂:45 より高い(↑)
💨 アルカリ性方向の矢印
PaCO₂:35 より低い(↓)
[矢印その3]HCO₃⁻ の矢印
🩸 酸性方向の矢印
HCO₃⁻:22 より低い(↓)
💨 アルカリ性方向の矢印
HCO₃⁻:26 より高い(↑)
📌 表にまとめると、3つの矢印はこうなります。
| 項目 | 酸性方向(pH↓) | アルカリ性方向(pH↑) |
|---|---|---|
| PaCO₂ | 45 より高い(↑) | 35 より低い(↓) |
| HCO₃⁻ | 22 より低い(↓) | 26 より高い(↑) |

矢印そのものの↑↓向きが揃うではなくて、pH・PaCO₂・HCO₃⁻が“酸性方向かアルカリ性方向か”という矢印の向きで見てね。
✔ そろわないとき=混合性のサイン
例:
pH:7.28(酸性)
PaCO₂:50(酸↑)
HCO₃⁻:30(アルカリ↑)
→ pH方向とは別の矢印が混ざっている
= 混合性の可能性が高い

基本、混合性はこの3つの矢印で読めばOK。
では、15秒で血ガスみていきますよ~🔎
🔸 血ガスでどう見る?
-
pHで「向き」を見る
↓ 酸性方向
↑ アルカリ性方向 -
PaCO₂はその向きに合ってる?
合う → OK
逆 → 混合性を疑う -
HCO₃⁻も同じ向き?
3つそろう → 単純性(代償含む)
1つでも逆 → 混合性
📌 pHが向いた方向に、PaCO₂とHCO₃⁻がついてきているかを見る。
ついてこなければ混合性。

ただしpH は正常、
矢印は逆方向= 隠れ混合性アシドーシス
があるので注意してくださいね
🔸 全6章 完結
どうでしたか?
全6章「血液ガスデータを読み解く」シリーズは、今回で一旦完結です。
このシリーズでやってきたことは、ずっと一貫しています。
血液ガスは、3つの矢印で読む。
- pH:全体の向き(酸性か・アルカリ性か)
- PaCO₂:呼吸の矢印
- HCO₃⁻:代謝(腎)の矢印
まず pH で「向き」を決め、
PaCO₂ と HCO₃⁻ がその向きについてきているかを見る。
- 3つの矢印がそろう → 単純性(代償を含む)
- 1つでも逆を向く → 混合性を疑う
この考え方が身につけば、
アシドーシス/アルカローシス、
単純型/混合型まで、
血液ガスはだいたい読めるようになったのではないでしょうか。
このシリーズが、
同士(看護師)の皆さんの働きやすさの一助になれば嬉しいです。


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