
こんにちは、minoariです。 急性期看護師歴30年のオツボネナースが、**もう一度、基本に立ち返って**血ガスのポイントを整理してみました。
血ガスって、「pHが下がってる=酸性」ってところまではわかるけど…
じゃあその「酸性」って、何がどうなってるの?ってなること、ありませんか?
実はそこ、H⁺(水素イオン)とpHの関係がわかるとスッと腑に落ちるんです。
この章では、アシデミアの基本=「酸性に傾くってどういうこと?」を表やシンプルな言葉で、やさしく整理していきます📝
⚠️ 本記事は、看護師としての学び直しを目的とした個人的な覚え書きです。 医療的判断や処置を行う際は、必ず医師や専門家の指示を仰いでください。

この章の終わりには、pHとH⁺の関係がつながって、 アシデミアという“出発点”がクリアになります!
📖 第1章:アシデミアとアシドーシスとは?
🔸アシデミアって何?

🔎 血液って、身体の中でどれくらい「酸っぱい」か、気にしたことありますか?
実はこの「酸っぱさ」を数値であらわしたのが、pH(ピーエイチ)という指標なんです。
ℹ️ 補足:pHの読み方って?
「pH(ピーエイチ)」は、学校では「ペーハー」と習った人も多いかもしれませんね。
でも実は、正式な読み方は「ピーエイチ」なんです。
これは “potential of Hydrogen”(水素の可能性) という英語由来の略語で、
医療現場や理科系の文献では「ピーエイチ」とアルファベット読みされることが一般的です。
血液のpHは、身体の健康を保つうえでとても大切な指標です。
通常、私たちの血液は pH 7.35〜7.45 の範囲に保たれています。
この範囲を下回り、pHが7.35未満に下がる状態を
「アシデミア(血液が酸性に傾いている状態)」と呼びます。

じぁ
アシドーシスって何?
🔸アシドーシスとアシデミアの違い
まず確認しておきたいのが、似ているこの2つの用語
用語 | 意味 |
---|---|
アシドーシス(acidosis) | pHを下げる“作用”や“傾向”のこと(=原因) |
アシデミア(acidemia) | 実際に血液が酸性に傾いている“状態”(=結果) |
🧠【コラム:語源で覚えるとスッキリ】
語根 | 意味 |
---|---|
acid | 酸 |
-osis | 傾向・変化・過程(〜になること) |
-emia | 血液の状態(〜血) |

🎯 要するに(もう一回いいます!)
→ acidosis:酸の状態になる傾向
→ acidemia:血液が酸性になっている状態
どお?言葉の意味はわかったでしょ👍
ではつぎ👇いくよ
🔸なぜpHが下がるの?
答えはシンプルです。
**「酸が増える」か「塩基(アルカリ)が減る」**かのどちらか。
pHは H⁺(水素イオン) の濃度で決まるため、
H⁺が増えればpHは下がり、酸性に傾くというしくみです。

では、私たちの体の中には、どんな「酸」があるのでしょうか?その種類と特徴を見ていきしょう。
🔸身体の中にある「酸」
私たちの身体は日々の代謝のなかで、さまざまな酸をつくっています。これらの酸は、大きく次の2種類に分類できます。表にまとめてみました。
酸の種類 | 発生の場面 | 代表例 |
---|---|---|
揮発性酸 | 呼吸で出せる酸 | CO₂(二酸化炭素) |
非揮発性酸 | 呼吸では出せない酸 | 乳酸、ケトン体、リン酸、硫酸など |
- 揮発性酸の代表が CO₂。これは呼吸によって肺からすばやく排出できます。
- 非揮発性酸は腎臓のはたらきで徐々に調整される必要があるため、対処の仕方が異なります。

「酸」の種類わかったかな?
「塩基」はどおかな?
🔸身体の中にある「塩基」
先ほど「塩基が減ってもpHは下がる」とお伝えしましたが、
体内で代表的な塩基といえば HCO₃⁻(重炭酸イオン) です。
このHCO₃⁻は、増えすぎた酸(H⁺)と結びついて中和し、
体のpHバランスを保つ“緩衝材”のような役割をしています。
💬 実際、血液ガスデータでもこのHCO₃⁻の数値が出てきますよね
この **HCO₃⁻(塩基)**のはたらきも、後の章でしっかり登場します。
🧭 次章では、まず「CO₂=揮発性酸」がうまく排出できないとき、何が起こるのか?── 呼吸性アシドーシスについて見ていきます。
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